NCシミュレータの進化

NCテープチェッカー

1970年代、日本のNC工作機械の急速な発展とともに「NCテープチェッカー」が登場しました。

その当時NCデータは紙テープに記録していたためテープチェッカーと呼ばれていたのです。

まだグラフィックディスプレイもプロッタも普及していない時代だったため工具軌跡を表示することができず、フォーマット、稼動範囲、主軸ON/OFF、冷却材ON/OFF、などの文法的なチェックに限られていました。

それでも実機でのアラーム停止を予防する効果はありました。

NC工具軌跡チェッカー

XYプロッタが使えるようになってからは、工具軌跡を紙に描けるようになりました。
このおかげで誤った工具の動きを目で確認(目視検証)できるようになりました。

工具軌跡が見えるようになったため、極端に異常な工具動作は一目瞭然に検出できるようになったのは大きな進歩でしたが、XY平面図、YZ平面図、アイソメ図など複数枚を描画し見比べる作業が必要でした。

頭の中で立体的な動きに組み立てる作業を伴うため、注意深く見ないと見落としてしまう根気が必要な作業でした。

EWS版 切削シミュレータ

エンジニアリングワークステーション(EWS)+UNIXの登場でグラフィックスが使えるようになり、仮想的に切削形状をソリッド表示できるようになりました。

画面を見ているだけでNCデータの異常が分かる切削ソリッド画面は画期的でした。
それまでは工具軌跡を見て、工具が削っていく形状を頭の中で想像して、異常が有るか無いかを検証していたため、実際の画面で確認できるというのは本当に革命的な進歩でした。

しかしEWS版切削シミュレータの時代は長くありません。
パソコンのOSにWindows3.1が発売され、1995年に本格的なWindows95が登場したあとはPC版の切削シミュレータへと急激に切り替わっていきました。   

切削シミュレータ

1995年、Windows95の出現でシミュレータのプラットフォームはパソコンへとシフトします。
パソコンがプラットフォームになったことで切削シミュレータのシステム価格が大幅に下がり、切削シミュレータの普及も一気に進みました。

いったんNCデータミスで干渉事故が発生すれば、再加工、修理、納期遅れ、機械の長期停止など大きな経営ロスとなります。
切削シミュレータの導入が工場運営面でも有効だと理解が得られ始めたのだと思います。

”シミュレーション”という言葉は”模擬”を意味するので、切削シミュレータは切削それだけをコンピュータ上で模擬的に表現するのが本来の定義かも知れません。
しかし金属加工の現場からは、切削シミュレータに対して様々な機能の要請がありました。

「干渉検出」、「工具突き出し長さ計算」、「モデル比較」、「穴加工チェック」、「加工条件の最適化」などなど、これらCAE的な機能も次々と追加実装され続けてきています。

マシンシミュレータ

パソコンに高性能なグラフィックボードが搭載されるようになってからは、CGを生成する性能も飛躍的に向上しました。

その結果、実用的な機械構造物シミュレーションが実現しました。
”バーチャルマシン(仮想機械)”とも呼ばれるこの機能により、PC上で仮想的に機械構造物を表現し、ワーク、冶具、テーブル、付加軸などを動作させ、相互の干渉を監視させることまで可能になりました。

構造物の干渉が特に問題になりやすいのは、アタッチメントを使用する門形大型MCです。

大型ワークの内側を加工する際に付加軸やアタッチメントが衝突してしまったり、5軸ヘッドが干渉したりといったケースが発生しがちですが、これらも機械構造物シミュレーションによって事前に検証できるようになりました。

NCVIEWは機械構造物シミュレーションにより、これらの実機動作を正確に再現しながら加工を検証することができます。


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