マクロ解説:第2回 変数の扱いについて
変数
数値を一時的に記憶させる入れ物のことを「変数」といいます。
変数の中に入る数値は、機械パネルやNCデータ内で指定します。
例えばFANUC系の場合、”#”のあとに変数の番号を入力してNCデータ内で使用します。
例)
#1, #500, #1000
変数には番号によって種類がおおよそ4種類に分かれます。
| 種類 | 番号 | どんな時に使うか | いつ中身の数値が消去されるか |
|---|---|---|---|
| ローカル変数 | #1 ~ #33 | その場限りの一時的な値 | プログラム終了時 |
| コモン変数(揮発) | #100 ~ #199 | プログラム実行中、しばらく使う作業用 | 電源オフや初期値 |
| コモン変数(保持) | #500 ~ #999 | 電源オフしても残したい値(寸法や補正値) | 機械の仕様に依存 |
| システム変数 | #1000 ~ | 機械の状態を参照したいとき | 機械の仕様に依存 |
また、変数は”[ ]”で括ると数式のように扱うことができます。
例)
#[2 * 5] → #10と同じ意味
NCデータ内の数値を変数で書き換えると以下のようになります。
例) #1 = 10. #2 = 5. #3 = [1/10] ↓ G01 X#1 Y#2 Z#3 (G01 X10. Y5. Z0.1 と同じ意味の指令)
これらの変数に加工時のパラメータ(工具移動開始位置、ピッチ、加工回数など)を指定すれば、変数の役割が明確になり、プログラムがより使いやすく、再利用しやすくなります。
プログラムの再利用については次回のマクロ呼び出しで解説します。(第3回に続く)